昨年12月21日に開催された2025 Ene-1 SUZUKA ChallengeのKV-40 DivNextに初参戦し、2年ぶりに総合優勝に輝いた木製車体「WISDOM-J(Jupiter)」。
今回は、そんな「Jupiter」が誕生した経緯や製作過程、車体完成に至るまでのそれぞれの努力について話して行きたいと思います。
とてつもない長文のブログになりました。ゆっくりご愛読ください。
1.はじまり
「Jupiter」のはじまりは、べニア板から。「フレームは木材で、カウルはGFRPで製作して…」などと色々考えていました。

その後はレーザー加工機を使用してベニヤ板を加工し、小さな車体を製作していました。WISDOM-Jのミニver.だからMINIDOM-J?
2. 「ウィズダン-J」
元々木製車体は2026の鈴鹿大会に出場させる予定でしたが、茂木大会の試走会終わりに部員全員で「製作しよう」と決めました。(2025.08中旬)

(2025.08.25)
再設計を行った新しい図面の3Dデータを作成し、B0サイズで図面を印刷。図面を基に、1:1スケールで段ボールを切り出して原型サイズの車体を作りました。

(2025.08.30)
「ウィズダン-J」誕生でs!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
現行のWISDOM(黄色の車体)と比較して、横幅約1.1倍、全長約0.9倍ほどのサイズ感になっています。ほぼすべてのドライバー(&部員?)が入れるようになったぞ!!
3. 図面を元に製作開始!!
サイズ感が掴めた所で、ついに製作を開始。

けがきの様子
まずは各部品の寸法通りに木材を人力でけがいて行きました。けがきの段階でも寸法ずれなどが原因で何度もやり直す羽目になりましたが、その甲斐もあり正確?な部品に仕上げることが出来ました。部品の亡骸もたくさん!
車体底面板の加工
続いて、車体の底面となる8尺(約2.4m)の板に底面部分の図面を貼り付け、バンドソーを用いて底面板の加工を行いました。バンドソーで加工が行えない部分はジグソーを用いて行っています。
出来上がった底面板に、加工し終わった部品を置いてみるとこんな感じ。

車体フレーム
ンかっちょよッッッッッッッッ!!!!!!!!!!
側面の部分、図面を引いていた時点ではなかった肉抜きを施しています。軽量化以外にも意外な役目が・・・? フレーム周辺の木材だけで8㎏未満くらいの重さです。
4. カウル製作
車体の加工と並行してカウルも製作していました。現行のWISDOMシリーズのキャノピーを用い、カウルの窓に合わせてピラーをつける方式で製作しました。

(2025.10.21)
ペット板を支えとしてカウルの窓部分を形作り、修繕班に焼いていただいたキャノピーを仮固定してみました。

カウルフレーム製作
その後は仮固定したピラーの形に合うようにシナベニヤをカット。タッカーを用いて、カウルのフレームにシナベニヤの単板を2重~3重に重ねて固定しました。
カウル内にある段差にキャノピーが張り付きます。カウル先端は木を重ね、キャノピーの形になるように削りました。

接着中…
両面テープで仮止めインテグレーション。

(2025.10.30)
車体下のフレームと重ねてサイズの確認を行います。現物合わせで高さをきめたので、ドライバーの頭部にゆとりがあるらしい。図面では、同じ高さなのに……
ちなみにカウルの総重量は3㎏くらいです。ペット板が思いの外重かったのが影響してしまった……

なんか、しゃれてる?
5. 車体完成、大会へ
茂木大会が終わり、大阪の大会に向けて準備を進める裏で並行して残りの作業を進めていきました。(金属部品加工、しっぽ製作、etc...)
基本的な部品はWISDOMシリーズの共通部品を使えるように設計したため、鈴鹿大会は休養に入るWISDOMから部品を借りて、モーター周辺の組み立てを行いました。

ギヤボックス
後輪ギヤボックス。後輪部の強度を高めるため、10mmのアルミ板から部品を削りだして製作しています。部品の固定については、原動機部で部品の共通化(=どの車体でも同様に部品を使用可能にすること)を進めているため、他の車体の固定方法に合わせています。

(2025.12.06)
Jupiter初練習走行!!意外にも人が乗った状態でも車体がしなることはなく、ドライバーからも「運転しやすい」と好評を受けました。ただ寒いらしい。
車体後方の車高が低く、車体底が斜めになっていました。原因は後輪ギヤボックスの設計ミス。来年作りなおします!!!!!

(2025.12.07)
前日の走行ではつけていなかったカウルを試しにつけて走行。フロントキャノピーだけ接着しています。固定が甘く、振動でカウルがずれてしまうようです。
しっぽの部品加工が終了し、製作に入りました。時間がないため、底の角度は感覚に任せて製作しました。ちなみにこのしっぽ、「木材+とある”もの"」で総重量1.4㎏でした。そんないく?
また矢崎製作所様から寄贈いただいたホイールを初めて後輪につけて走行しています。学校名やスポンサー様のステッカーも急ピッチで用意して貼り付けました。

(2025.12.13)
完成したしっぽとカウルをつけて練習走行。しかししっぽ部分に異音あり。走行の際にしっぽが車体にしっかりと固定されていなかったのが原因でした。固定箇所を増やして対策。
その後、鈴鹿大会が雨だということが分かり、急ピッチで前輪のタイヤカバー・後輪タイヤカバーを製作しました。また元々重量のことを考えてしっぽにニスを塗る予定はありませんでしたが、雨だということもありニスを塗布。残りのカッティングシートを貼りました。
そんなこんなで、Jupiterのすべての部品・パーツが揃ったのは大会4日前でした。
6.大会当日

大会出走時の様子です。
1st Attack終了後、色々なチームの方々が見学しに来てくださいました。「OIDEさんらしい車体」だと褒めていただけましたYattaze☆
7. 総括
全体の製作を通してかなりタイトな日程(4か月程度?)での製作でしたが、製作していてみんな楽しそうだったなと感じています。妥協点がいくつか残っているので、今後の部活動でなんとかしていきたいです。
というような感じで、Jupiterの製作過程をお伝えしました。
筆者としても、最初はけがきからだった木材がどんどん部品へと変化していき、組み合わせて1台の車体に……、という過程ではこみ上げてくるものがありましたし、なにより「自分が製作に参加した車体がDivNextで総合優勝を勝ち取ってくれたのが嬉しかったな~」と、思い出しながら、このブログを書いていました。
このブログが「車体を作りたい」と考える学生や、「ものづくりをしたい!」と夢を抱く未来の工業人(の中でも未来のOIDE生徒)に届いてくれることを願っています。
長文のブログとなりました。ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。今回もご愛読ありがとうございました!
(R.S.)