長野県飯田OIDE長姫高等学校原動機部ブログ

飯田OIDE長姫高校原動機部のブログへの訪問ありがとうございます。私たち原動機部は、競技用の電気自動車・電動自転車を部員が一丸となって製作し、大会に向けて日々活動しています。このブログでは、そんな原動機部の日々の記録などを紹介しています。コメント等も大歓迎です。どうぞごゆっくりご覧ください!

Ene-1GPもてぎ 大会報告!

こんにちは!
テスト期間等でブログを更新できませんでした。


大変遅くなりましたが
11月24日の「Ene-1GP MOTEGI KV-40チャレンジ全国大会・KV-BIKEチャレンジ全国大会」について報告します。

今回の大会も前日に飯田を発ちました。今年は部員が12名と少なく、10人乗りハイエースのレンタカーと、先生の車2台の合計3台で向かいました。

そして今年は去年、課題研究で参戦した卒業生のチームもKV-BIKEのクラスⅠに出場しました。

大会当日、例年通り、日が昇らないうちに出発です。
サーキットに到着したら、既に先輩方は車体を降ろしていました。
私たちもピットに車体を入れ、車体整備を開始しました。
走行中にトラブルの無いよう、いつもより入念に整備を行いました。

車検が始まりました。
まずはバイクです。
重量やゼッケンの位置の確認を行いました。

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ブレーキテスト、車重等のチェックをしてもらい無事に合格しました。

次にKV-40の車検です。
ブレーキのテストや後方視界などをチェックしました。

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こちらも無事合格です。


その後、再度車体整備を行いワンラップタイムアタックです。
まずはKV-BIKEクラスです。

今年は各車体のチーム人数が少ないので、他チームからもヘルプに行き、人手不足を補いました。また、OBの方にも手伝っていただきました。

いよいよスタートの時、ライダーは緊張していなかったそうです。

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バイクは可変界磁を使用せず、ボリュームの調整で目標としていた5分30秒~6分の間に収まり、タイムは5`52.492でした。
ポジションは4位
同じクラスの宇都宮工業高校さんにはタイムで抜かれてしまいました。

因みにOBチームは9位でした。


次にKV-40のワンラップタイムアタックです。
まずはWISDOMがスタートしました。

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その次にWISDOMα、

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しばらくしてからWISDOMⅡでした。

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αは目標積算を超えないように試走会で決めた時間で速度を調整していきました。そして、コース脇の看板を目安にし、時間を見ながら走り、3分8秒台を目指しました。

WISDOMはαの試走会データをもとに走りましたが、合わせることが難しく、結局ドライバーが速度を調整する方法で、3分5秒以内に収めました。

WISDOMⅡは設定速度と目標積算を設定し走行しました。しかし設定速度よりスピードが出せず、ボリュームを全開で走りました。積算電力は理想通りで走れました。


結果はWISDOMが3‘04.577で6位、WISDOMαが3‘08.704で7位、
KV-2のWISDOMⅡが3‘40.286で12位、KV-2クラス1位でした。

どの車体も悪くない順位につけました。


昼を挟み、緊張のロングディスタンスです。

まずはWISDOM-BIKEが走ります。

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消費が予想以上に少なく後半はコアを抜き、スピードを上げることができました。

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11周して帰ってきたタイムは1:01‘06,688で2位でした。
この結果からWISDOM-BIKEは、クラスⅡ総合と高校生部門で、優勝がきまり
ました。
因みにOBチームは、11周でタイムは1:08‘30,492でクラスⅠ総合と一般部門で3位になりました。

次にKV-40のロングディスタンスです。
KV-40のロングディスタンスは、全車体40台が一斉にスタートします。
最初のスタートダッシュは、周りの他チームの車体にぶつからないように、かつ周りの車体に遅れをとらないように考えて走らないといけません。
グリッドの順番はWISDOMが6番、WISDOMαが7番、WISDOMⅡが12番でした。

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αはまず、走行前にギヤ比を変更しました。
可変界磁は使用せず、途中までは全開で、消費が食い気味になったため少ししぼりました。目標とする周回数は28周でしたが、残り30秒の時3コーナーで電池の残りも少なかったため27周でゴールしました。

WISDOMもギヤ比を替え走行しました。積算電力をもとにエネマネを行おうと思っていましたが、予想された積算電力の容量に対し電圧が低かったので、電圧の様子を見ながら走行しました。
初めから電圧が低く、可変界磁は使用せずに途中まで全開で走行しました。終盤になり、さらに電圧が低くなってからは、下りは電気を使わず惰性で走行しました。目標周回数は28周でしたが、電圧の下がり具合を考えて、27周で走行を終えました。
電力は使い切ることができました。

WISDOMⅡは去年の失敗を踏まえて、積算も余らせないぴったりな走行をする為に速度や電圧、電流、積算、速度を見つつエネルギーマネジメントを行いましたが、ボリュームを絞りすぎてしました。


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結果はWISDOMαが27周でタイムは1:30‘33,082、WISDOMが27周でタイムは1:31‘09,686、WISDOMⅡが25周でタイムは1:31‘47,586でした。

この結果から、WISDOMαがKV-1で高校生部門優勝、総合2位となりました。
WISDOMはKV-1高校生部門2位、総合3位となりました。
そしてWISDOMⅡはKV-2高校生部門と、総合で優勝となりました。

OBチームはKV-BIKEのクラス1で総合3位でした。ほとんど活動できない中、車体を作り上げ、エネマネもこなし、さすが我がOBです。おめでとうございます!

ただ、今回は事故もありました。

チェッカーを受けた後、スーパースピードウェイ側からロードコースに入るように指示されて、車両の進行方向を変えたとき、減速していない車両が車体側面に衝突してきた事故で、大きな事故になりかねない事案でした。ドライバーは、救急車でメディカルセンターに運ばれました。その時は痛みを感じたようですが、モノコックボディーに守られたため、外傷もなく無事でした。
今回の件で、安全について意識を高めないといけないと再認識をしました。事故の相手の方によると、ドライバーの方は、メーターを見ていてチェッカーフラッグを見落とし、また、通信のタイムラグがありドライバーにレース終了が伝わらなかったと言っておられたそうです。実は私たちのチームもKV-BIKEのライダーが、ワンラップタイムアタック終了後に、出口を間違えてスタート側コースに侵入し、少し逆走してしまうということがありました。幸い全車スタートが終わっており、走行しているバイクがいなかったため問題は起こりませんでしたが、あってはならないことでした。相手ドライバー、ライダー共にルールと安全に対しての認識・意識の甘さがあったのではないかと思います。今後は二度と起こらないよう、お互い競技参加者としての責任意識を高める必要があると思っています。

私たちも前までは、ドライバーが各種計測器を読み、携帯電話で通信をしていました。特にエコデン系レースでは、競技中、混雑している状態で計測器を見ることは、前方から視線を逸らすことになり、危険が生まれやすい状態でした。
この状態を改善しドライバーの負担を減らすため、テレメトリーシステムを採用しました。通信に詳しい先生に希望を伝え製作してもらい、現在はインタープラン社製の920MHz帯の通信モジュールを使用し、PCのエクセル上に速度、電流、電圧、積算電力、積算電流が表示するもので、そのデータをmicroSDカードに記録する機能も付けています。ツインリンクもてぎオーバルコースではピットの屋上部分で、コース上のほとんどを受信ができる通信性能です。ドライバーは運転に集中できるため、とてもありがたい存在です。ただ、コネクタの接触不良やmicroSDカードの破損など、不具合もたまに発生するので、まだまだ改善が必要です。いずれIoT方式にできないかとも思っています。
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今後も安全について、車づくりでは、ブレーキなどの安全装置の性能や信頼性の向上と、視界確保、ドライバーの環境を向上させることを意識したいと思います。ただ、一番は、私たちの意識だと思うので、安全について常に意識を持ち活動していきたいと思います。

あと、電池の管理をしている電池係の感想ですが、WISDOMαに積もうと思っていた電池があまりよくなさそうで、その電池をWISDOM-BIKEに回し、それ以外も
予定していた車両とは入れ替えて使用しました。
結果、αは予想していた電力より多く取れましたが、WISDOMに使用した電池は予想していた電力を下回りました。他の2車体は電池を全て使いきれませんでした。
全ての電池を同じ条件で充電しているつもりなのに、車体ごと取れ方の差が大きかったのでその原因を探っていきたいとのことでした。

チームごとの今大会の感想です。

WISDOMα    目標中回数には届かなかったものの、しっかり完走できて良かったです。今回のデータなどを来年に引き継ぎ来年また挑戦していって欲しいと思います。(リーダー)
 
 
WISDOM  安全運転を心がけつつ、安定した走りができましたが、目標の周回数にはあと1周届きませんでした。(ドライバー)
 
 
WISDOMⅡ   目標としていた周回数には届かず積算を余らせてしまい、去年の課題をクリアすることが出来ませんでした。ですがチームメンバーが協力し合いドライバーに負担を掛けすぎることもなくレースが出来ました。(リーダー)
 
WISDOM-BIKE  人数も少ない状態でしたが、担当以外の人にも手伝っていただき特に大きなトラブルも無く終えることができました。来年は12周を目指したいです。(リーダー)

今回の大会で全車体が、表彰台に上がれたのでよかったです。

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来年の大会は、今回優勝出来た車体は連覇ができるように、2位や3位だった車体は記録を伸ばし、総合優勝したZDPさんに少しでも近づけるように、性能の向上や、エネマネについて研究していきたいです。                       
                                                                                              N.K、tooyashi